たよりさん

クスッと笑えるブログ

グラタン

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フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
あれは多分小学校1年生のころ

 あまり好きではなかった同級生の家でグラタンの箱を発見した。どうして嫌いだったかというと顔が怖かったから。元気でやってるかな?

 話を戻してその箱は多分ミートソース味だったと思う。とても食べてみたくて母親と何度もスーパーに出かけては探すけど見つからない、見つけたらこっそりカゴに入れるつもりだった。

 毎日忙しい母親にグラタンが食べてみたいと言うこともできなかった。

母親は僕がカレー粉のあたりで

 キョロキョロしてるのをみてよくカレーを作ってくれた。せっかちな母親のカレーの作り方は具(じゃがいもとたまねぎと人参)が大きめで豚肉のカレー、ルーを入れたら火を止めずに溶けただろう状態に牛乳とケチャップを入れて完成!!なぜ牛乳とケチャップを入れるのかがわからずずっと引っかかっていたけどそれはまだ子供だった僕に合わせてくれてたんだと今頃気づいた。

 僕のカレーは小学校で食べるカレーがベースになっていて母親が作るカレーはさらに辛くないものだといつも思っていた。あと溶けてすぐお皿に盛るからサラサラしていた。これはこれでとてもおいしかったのでいつもおかわりをしてたけどこれじゃないんだよねと思うも言えなかった。

それから少し経ったとき衝撃があった

 クリームシチューだ。僕はこの箱を見たときグラタンだと思い嬉しくなった気持ちは今でも忘れない。

 せっかちな母親のクリームシチューの作り方は具(じゃがいもとたまねぎと人参)が大きめで鶏の胸肉のクリームシチュー、粉末を入れたら火を止めず溶けただろう状態に牛乳を入れて完成!!じっくり煮込まないからサラサラしていて粉もケチっていれるので薄い!!口に入れた瞬間ヤケドしちゃうみたいな。

 今では商品になっているので違和感はないけどシチューオンライス。オー米フレンド♪と歌いたくなるね。先日、母親はクリームシチューをご飯に乗せるなんてないわーとCMみて言ったときつっこめなかった。

その後もグラタンに

 会うこともなく日々は過ぎてった。ある日家族ですかいらーく(今はガスト)に行くことになった。お金のない父親はいつも決まったラーメン屋さんしか食べに連れてってくれないくせに今日はどこに行きたいか?なんて聞いてくる嫌な父親だった。

 すかいらーくと言ってるのにすかいらーくとは違う方向、ラーメン屋さんに向かうのだ。だったら聞くなよといつも思っていた。

 しかしその日はラーメン屋さんがお休みだった。困った父親はしぶしぶすかいらーくに行くことになった。

 僕はこの日までハンバーグを外で食べたことがなくて(ハンバーガーは知っていたけどね)ハンバーグ&シュリンプを頼んだ。もうタルタルソースが大好きで。その当時からエビを食べると蕁麻疹がでるのにタルタルソースが好きでハンバーグ&シュリンプ一択!!僕と同じ人いたかな?(残念ながら今はエビアレルギーで食べられません。)

 その時父親が何気に頼んだハンバーグの横に耐熱皿に入ったあれがあった。グラタン。僕は父親に一口ほしいと言えずただ見るだけだった。この後もすかいらーくに行くもハンバーグ&シュリンプなのでグラタンを食べることができずの日々が続いた。

それから母親が夕食を作ってる時

 トースターで何かを焼いていた。耐熱皿に入ったグラタンだった!!

 マカロニグラタン!!ついにきた。どうして母親にマカロニグラタンを買ってきたのか聞いたら同級生の母親が僕がグラタンの箱をずっと見ていたと言ったことと毎回父親が食べるグラタン容器を僕がずっと見ていたからだと。

 同級生の母親さん息子をブサイクと言ってごめんなさい。あと父親、たまには食うか?と一声かけろよ。母親がグラタンが食べたいなら言えばいいのにと言われた時、なんか照れ臭く素直にグラタンが食べたいと言えない自分が残念だった。

初めて食べるグラタン

 うちのグラタンレシピは小さく切った鶏のもも肉、たまねぎを鍋で炒めて火を止めてそこに水、牛乳、粉、マカロニを混ぜたあと再度火をかけてしめじを入れて耐熱容器に移しスライスチーズを適当に切って乗せてオーブントースターで焼く。

 やはり母親、しっかり煮込まないからチーズの下はサラサラだ。でもうまい。本当にうまい。うれしくて声を出して泣いた記憶がある。でも母親はこのとき、僕が泣いたのは嫌いだったからと思ったらしい。本当に言葉にしないと伝わらない。

その後学校で参観会があり母親は見に来ていた。

 好きな食べ物は何ですか?と言う先生の問いに他の子たちはハンバーグとかステーキ、焼肉、すき焼きと外食のものを答えていた。

 母親はラーメン屋さんしか連れて行かなかったからきっとラーメンと答えるに違いないと発表前から他に連れて行かなかったことを悔やんだらしい。そんなことも知らない僕は母親が作るグラタンですと答えた。この時、母親はとてもうれしかったらしく先日、僕が私が作ったビーフシチューが好きですって答えたときはうれしくて泣いたさと言っていた。

 ビーフシチューじゃないよ。グラタン!母親が作るビーフシチューの作り方は具(上記と同じ)が大きく豚肉だ。牛肉は高くて買えなかったらしく学校で出てくるビーフシチューとは全く違うものだと毎回思っていた。いつも通り煮込まないからサラサラでオンライス…粉も少なく薄い

それからというもの

 毎月1回はグラタンが出てきた。念願のミートソース味には出会えなかったけど。

 母親は体が弱く何度も入院していた。そのたびに僕はグラタンが食べられなくなるのではという恐怖におびえていた。だから母親が作るときは手伝わないけど横に張り付いて作り方を見ていた。でもちょっとすると忘れてしまうので必死にメモをとったりした。

 残念なことにその作り方のメモをみても何が書いてあるかわからない。僕はこの時初めて習字をしっかり習わなければとがんばった。というのも学校帰りにかわいい女の人(習字教室の奥さんになる人)に来てねと言われて習字を習いたいと今でも不純な動機で誰にも言ってないはずなのに母親はそれを知っていた。

 僕が習字習いたいって初めて言ったからどうしてかと思ったら奥さんが好きで行きたかったんだとすぐにわかったよと。今ではこの奥さん、おばあさんになってるし。この人を好きだったとは今では考えられないくらい残念に…でも頑張ったおかげで書初めでは銀色の折り紙がよくついていたなと。

僕が小学4年の後半頃

 母親が大きな病気をした。

 なので祖母が作ったり父親が作ったり(父親のは食べられるものだがマズイ)してくれた。でも両者ともグラタンは作れなかった。というより作ろうとしなかった。僕もやろうとしたが包丁がつかえずに指を切ったりしてた記憶がある。その時僕は心の中で決めていた。

グラタンを作ってくれる子と結婚する

中学になり母親もご飯が

 作れるようになったけどそれ以来グラタンが出てくることはなかった。それから就職をして初めて彼女ができた。しかしこの彼女、料理を全くしたことがなくていつも外食だった。

 結婚の話もつきあっていたので何度も出た。その時料理とかってしてくれるの?って聞いたら多分するでしょとあいまいな答え。そうこうしてるうちに浮気されて別れ、ひとりが続いた。

 また彼女ができたのも数年後、こちらも全く料理はしない子だった。でも彼女は僕が何も言ってないのに料理教室に習いに行っていた。それから習ってきたハンバーグとかを作ってくれたりした。また結婚の話とかになったがこの子ならきっと将来グラタンを作ってくれると思いプロポーズをした。

 しかしマリッジブルーのようなものになってしまい別れることになった。

仕事も辞めて家族の料理を

 作っていた母親も今日は何を作ろうかと考えるのも億劫になりなぜか父親が家族の料理を担当していた。この父親が糖尿を発症していたため全員が高血圧、コレステロール値が異常なものになっていた。

 父親も入院しついに僕しか家族の料理を作るものがいなくなった。僕はYouTubeとかで包丁の使い方とかを覚えて高齢の家族のためバランスの良い食卓を目指すためCOOKPADなどで和食などを何度も作り今ではピザ生地つくりからピザを作ったりクリスマスになればケーキも作るほど上達した。冷蔵庫のあまりものでささっと何品もつくれるほどになった。

 おかげで祖母は高齢であったのに血圧、コレステロールともに改善し薬も少なくて済むようになった。かかりつけの医師はなにかした?と疑問を投げかけてきたので僕は父親がご飯を作るのをやめましたと答えた。医師は納得いかないようだったが。

ドラックストアに行ったとき

 グラタンを見かけた。そのときあの頃みたミートソースのグラタンも売ってあったので買った。ホワイトソースのマカロニグラタンも買った。裏面に作り方が書いてあるんだが僕は昔、自分が書いたメモ(グラタンの作り方)を探した。

 随分時間がたっているのでみつからないかと思っていたがすぐに見つかった。習字のかばんに入ってたのを思い出した。字も読める。材料の鶏のもも肉、たまねぎ、しめじ、スライスチーズ、牛乳を買い家に戻り耐熱容器を探す。昔と変わらず同じもの。僕は昔を思い出しながら作りオーブンにいれて出来上がったグラタンを母親に見せた。母親は食べた後なんだかサラサラじゃないねと自分が作ったやつと違うと思いつつも昔を思い出したようだった。

 昔好きだったねー、懐かしい、僕と結婚する人はグラタンも食べられるねと言った。この時、僕はとんでもないミスをしたことに気づいた。

僕が作っちゃダメじゃん、グラタン

 

 未来の結婚相手は僕でした…